【連載】大江千里の50をハタチと数えたら #3

2017年05月05日
大江千里コラム_#3_423

Fried Green Tomato
クッキングに関するいい話。

インプロビゼーション(即興)。ひらめき。タイミング。キャスティング。料理は自由なのがいい。僕はプロの料理人じゃないから、レシピを見ないで行き当たりばったり気楽に作る。だから失敗も多いし途中で作るものが変わったりもする。でもそれが楽しいし本当に納得するものができた時の喜びは格別だ。タッパーに詰めて友達に配りたくなるくらい。アメリカにいると材料が和食を作るにはリスキーだ。でもここにある食材をそれなりに生かすとケミストリーが起こりそれも楽しいかもと思うようになった。

ちょっとずつ慣れると手際も多少良くなる。洗い物も早いしりんごも綺麗に剥ける。作るぞ!と力を入れると、曲も料理も失敗するのでとにかく楽に気負わずを心がける。これが意外に難しい。スーパーの食品売り場で目を奪われた魚や貝を衝動買いする癖があるけれど、魚介は足が速いのでその日のうちにクックしないとと必死でアクアパッツアとか酒蒸しにする。

律儀にお米は日本米を買っていた時代もあった。「ごはん」はジャズメンの命。我が家はメキシコネイバーフッドなのでマンハッタンの日系スーパーまで「錦」を買いに行く。でも重いし面倒臭い。最近は近所のスーパーのメキシコ米で和食のごはんらしき感じを出せるようになってきた。水を多めに火加減を調節しじっくり炊く。熾火(おきび)蒸らしも忘れずに。そうすると「お代わり!」と言いたくなるご飯ができる。

きゅうりの酢の物もアメリカのそれはでかすぎて味気ない。断面が大きいと萎える。なのでスライスした面を更に団扇形に切って食感にバリエーションを加える。これいけまっせ、奥さん!シラントロなんか合わせちゃった日にはもうこの味知らんトロ?アメリカにはミョウガや春の七草はないけど、ジャガイモやコーンは充実して安いしおいしいし種類も多い。小さな色とりどりのジャガイモをそのまま湯がいて粉吹き芋に。ウイキョウ、サボテン、アーティチョークなどもこちらだと簡単に手に入るから、ちょっと醤油を垂らすだけで、ガーリックと蒸すだけで、もちろん生でも、といろいろ試したくなる。

ブロッコリーのビビンバ。昨夜の実験。これが大成功。韓国風ビビンバの具材は様々な形に切ったブロッコリーのみで。潰した白ごまとミジン切りのガーリック、生姜、醤油、ごま油とで合える。それを丼にご飯をよそってその上に載せコチジャンを添えて出来上がり。混ぜると気分はアンニョイハセヨ〜!ちなみに米は「イタリアンリゾット用」と「キノア」を半分ずつ合わせて。ふんわり食感もありコチジャンとのマッチングも良い。

デザートはプチトマトを湯煎皮むきして赤ワインとハチミツで合え、レモンを絞りコンポートにして冷蔵庫で冷やす。酸っぱさ甘さとボルドーの香り。うーん、もうタマランチ元会長って感じ。Fried Green Tomatoというのは、僕の3枚目のアルバム「Collective Scribble」に収録された曲。緑のトマトは酸っぱくてそれだけだと顔がクシャおじさんになるけど、揚げると外カリカリ中ジュワッとジューシー、絶妙のコラボ。

クッキングと音楽は繋がっている。そしてそこにあるのは「おかげさま」と「ありがとう」の心。

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<大江千里(Senri Oe)>
47歳でジャズの音楽大学に入学、51歳で卒業、その年に自身のジャズレーベルを設立して、ニューヨークのブルックリンを拠点に4枚のアルバムをリリース。精力的に世界をツアーするピアニスト大江千里が中西部にやって来る。
「50をハタチと数えたら」は、50歳−30=20歳という筆者の頭の変換図式で、現在56歳-30=26歳という。2度目の「大青春」を泣き笑い謳歌する筆者がANGLE info読者に独占お送りする「抱腹絶倒」で「ほろり」とする「いい話」を10話お送りします。

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