祝10周年!シカゴ寄席 さん喬師匠・正蔵師匠 二人会 【JAN/ ENG】

2018年08月06日
chicagoyose

時に切なく、涙流しながら笑う、シカゴで観る日本の伝統芸能

 去る7月16日に今年で10回目を迎えたMスクエア主催のさん喬師匠と正蔵師匠よるシカゴ寄席がHarper College内のPerforming Arts Centerにて公演が開催された。今年は例年を上回る来場者を迎え、子どもから大人まで、年齢を問わず賑わっていた。来場者には日本の寄席や歌舞伎座でお馴染みの「助六弁当」が全員に配られ、日本の演芸場の寄席の会場に訪れているようであった。今年も華やかな着物や浴衣を身にまという方も見受けられ、日本の伝統文化を目でも楽しめた。
 第1部はさん喬師匠、正蔵師匠の順で「刻そば」「一文笛」、仲入りを挟んだ第2部は正蔵師匠、さん喬師匠の順で「新聞記事」「掛け取り」の計4席。第1部ではさん喬師匠の話芸に会場が江戸へタイムスリップしたような、職人芸がひかる蕎麦を食べるシーンでは本当に食べているような音が会場に響きわたり、落語の面白さを表現した一席だった。次に正蔵師匠による「一文笛」では、ジェットコースターのように笑いあり、涙あり、と最後まで聞き逃せない一席であった。第2部では正蔵師匠の声の強弱とテンポのよい掛け声落語で会場が温まり、最後の一席のさん喬師匠による「掛け取り」は日本文化の誇りである落語の無限大さを目の当たりにした一夜であった。公演を終えたお二人に話を伺った。

―ミドルベリー大学では、どんなことをしたのでしょうか。
-What did you do in Middllebury College?

正蔵師匠:授業の中では、落語の実演しその後質問コーナーの時間を作りました。また発表会では私は英語での小話と井上ひさしの「握手」の短編小説の朗読をしました。私は落語の他にもナレーションの仕事のオファーも頂いており、例えば朝の連続テレビ小説の「梅ちゃん先生」では語りを担当をしておりました。
During the class, we made the time of question and answer. And also in the recital, I spoke short story and I read the short novel, AKUSYU (Shake hands) that made by Hisashi Inoue, in Japanese. In Japan, I have worked narration works before, so I did that.

―授業では生徒さんが朗読して、それを指導するような形でしょうか。
-Before I teach, these students read during the class, right?

正蔵師匠:はい、そうです。この短編小説をテキストとして、朗読し生徒さんたちがシナリオを書いて読みました。句読点の「、」や「。」はどういう意味なのか、そのセリフを登場人物がどのように語っているのかを考えながら、読むようにという授業をしました。
Yes, that’s true. To use short textbook that is novel, theses students made scenario and then read. We taught and focus on how to use the punctuation mark.

―今回生徒さんと話しをして、日本では考えられない奇想天外なことはありましたか。
-Did any of your students have funny, interesting or memorable stories?

正蔵師匠:今回面白かったのは、6人いる上級クラスで、日本のどこが好きか、という質問をしたところ「居酒屋」が好きと答えた生徒さんが2人いた。その2人に居酒屋の何が好きかと聞いたところ、1人の人が「唐揚げ」といい、もう1人の女の子が「タコブツ」と言いました。確かに唐揚げはフライドチキンだから人気であることはわかるが、タコブツ、これを好きと答える生徒さんがいるとは思わなかったので驚き、面白かったですね。おそらく留学していた時に誰かに居酒屋に連れて行ってもらったのでしょうが、まさか居酒屋で一番好きなものがタコブツだったのは思いがけず笑ってしまいました。
The funniest moment recently came from my senior class, which consisted of just six students. I asked the class what part of Japan did they like or enjoy the most? Two of my students said they liked Izakaya but someone else said “Karaage!” which is Japanese fried chicken. Another person responded they liked “Tako Butso,” chopped octopus. When I originally asked the question I didn’t think they would respond with their favorite food from Japan! I laughed!

―今日の二番目の新聞記事の迫力のある滑稽話の演目をどうして選ばれたのか、今日の演目を選ばれた理由はなぜですか。
-How did you decide the second story in the newspaper? It was so powerful and impacted everyone. What made you select these stories now?

正蔵師匠:さん喬師匠から演目内容の連絡があった後、仲入りは人情話をし、仲入りで休憩後、少し短めに師匠の飛びネタに、という打ち合わせをしました。
I received a message from the Master to talk with him about the story. I decided the first story would be about the Master, the second story dealt more with humanity and the Masters final story was my third selection.

―今日の客席の様子は舞台から見えましたか。
-What were your thoughts during your time in this atmosphere?

正蔵師匠:前回に比べて、暗かったです。暗かったので、客席にいるお客さんの顔は見えませんでしたが、反応はよかったです。毎年、師匠がもう10回目で、お客さまが落語を聞いてくださったり、日本を想ってくださったりそういうお役に立てれば良いな、と思っています。これはやはり、初めてではできることではなく、回数を重ねた分だけ、師匠がこの長年で切り開いてくださったこのシカゴというところで公演をできることは嬉しいことだと思います。
I felt the atmosphere was good to compare my last time to how it felt now. It was darker this time and I couldn’t see their face. Once a year we travel to Chicago and we perform “Yose”. This is our ten year anniversary so we want you to think of Rakugo when you think of Japan. It won’t ever be as perfect as the first time, the Master perfected this craft and opened the door for us to come to Chicago. I’m very pleased.

―正蔵師匠はシカゴにくるのが3回目だと思うのですが、今回は何を楽しみにしていますか。
-This is your third visit to Chicago, what are you looking forward to doing during your time here?

正蔵師匠:私はミュージカルが好きで、去年初めてSomething Rottenを見ました。今回は明日Waitressを見に行くことが楽しみです。
I enjoy musicals and Broadway shows, last year when I visited I had the opportunity to see Something Rotten! I’m actually going to see the musical Waitress tomorrow.

―今日は英語で短い小ばなしをされていてとても新鮮でした。今後は英語で落語をしていくのですか。
-Today you spoke English during your performance, will you continue this in the future?

正蔵師匠:日本に帰ってから、もう少し英語を勉強して、フルでできるようにしたいと思っています。ミドルべリー大学で日本語を勉強しているアメリカの学生さんたちを見ると、自分も何か英語でやってみたいな、と思います。英語ができたらな、英語で落語の良さが伝えることができたらな、と思うことがあり、英語でやって見たいという気持ちが芽生えました。来年はぜひ、もっと長いものを。(笑)
When I go back to Japan I will continue studying English and working on being able to speak everything in Yose.
When I was working with my students at Middlebury college I studied lots of English. I would like to be able to communicate the details of Rakugo better and so I’m hoping I’ll be able to do even better next year.

―今回、刻そばを選ばれましたが、なぜこのお話を選ばれたのでしょうか。
-This year you chose Tokisoba(Time Soba), rather unexpectedly. What inspired your choice?

さん喬師匠:今日は、馴染み深いお話をしようかなと思い、このお話を選びました。郷愁ではないですが、日本のそういうものを思い起こしてもらうために、刻そばと掛け取りを選びました。刻そばは最初は笑うところはないのですが、後半にかけて笑いが起こる物語です。そして、次に出てくるはなし家さんのために場を作る、空気を作る、頭の役目としてこの話が今回は最適だと思い、掛け取りを選びました。また、日本人以外の方もわかりやすいお話で、理解しやすいものだと思っています。最後の演目の「掛け取り」をして、日本の文化が皆さんの生活環境に寄席が身近ないことに気づかされました。例えば東京では、義太夫の三味線の音「Ben」と言うだけで笑ってくださるのですが、それが伝わらなかった時にあっ、これは違うな、と分かりました。また、逆にそのわからないところから話しを繋げてもらい落語本来のの面白さを理解してもらいたいです。喧嘩の場面は、皆さん笑ってくださったので身近に感じてわかってくださってることに気づけました。歌舞伎も寄席も身近なものではなくなってしまっているのだな、ということがわかりました。また、年齢層も分かれますね。お子さんが笑っているのを見て、何かが面白かったのかわからないですけれど、面白さが伝わっていたみたいで嬉しかったです。
I wanted to perform familiar stories and give the audience a feel for Japanese nostalgia. This is the reason I chose that story.
The audience can have common ground with this story and follow along better. There is no humor in this story, until the ending of course.
We should always have consideration for the next speaker, this is very important for me.
This story is easy to understand, but I noticed that Yose isn’t in our life besides for being in our Japanese culture.
For example if I say “Ben” in Tokyo most people think of the shamisen sound of Gidayu, here there is a problem. If they’ve never heard this word before they cannot understand the sound.
When everyone has a laugh at the fight in the end scene of this story I believed everyone understood and it brought the audience together.
Our audience has a wide range of age groups to come to the show. I was pleased to see everyone have a laugh at the ending, even the little kids.

―掛取りは師匠の真骨頂のように思え、関西弁も初めて聞くことができ、とても面白かったです。
-I enjoyed it and you speak Kansai ben.

さん喬師匠:あそこに出てくる関西弁は江戸に長いことずっといる関西人なので、関西弁らしさをを前面に出す必要はないと解釈し、使いませんでした。(鴻池の犬と言うのがあって、これは後半全部上方言葉のものなので、少し渋すぎるかな、とも思いました。今日、人情話を避けたのは、正蔵師匠がしており、被るのを避けるためでした。)
In that story, the Kansaijinn who is living long time in Edo so I decided I don’t have to use strong intonation of Kansai so the reason why I didn’t use kansai intonation.

―今回の10周年、思い出などありますか。
-How do you think about 10 years anniversary?

さん喬師匠:枕でもお話ししたように、最初はこんなところでやるのかと思っていました。しかしお客様は私たちの話を聞き、落語を楽しんでくださるのを見て、物事の積み重ねが大事であることを実感しました。最初は40人ほどしかお客さんが集まらなかったのに対して、年々来場者が増え、今回は平日にも関わらず300人もの人がこのシカゴに集まったことは光栄なことだと思います。また、今回初めて来てくださった方も多いそうなので、次回も期待しています。ああ、落語聞きたいね、ってなって見に来ていただけるのが理想です。一年経つと、笑い方を忘れてしまいます。一席目、二席目を聞いてやっと思い出すような形になるのでもし可能ならば、年に2回くらいきて落語できるのが望ましいことだと思っています。40年以上も前に、フランスで初めて落語をした時、日本人の男の子が初めて落語を聞きました、と言っていたんです。その子がいつの間にかはなし家になったこともあり、落語は笑わせることだけでなく、自分たちの誇りであると思う。心に触れる話ができることが落語の良さだと私は思います。
I already said on the head, when I come here I thought it was horrible. But all of customer enjoyed our performance and satisfied, so now I felt we did a great job in this 10 year. At the first time, there are only 40 people but now, today is weekday but more than 300 people came in this recital. Also some of people said it is first time to watch this recital, so we hope to see you next time again. This situation that someone said I wanna go again after the recital is an ideal style. After one year, almost people already forgot how to laugh. So if it is possible I wanna try to come twice a year. 40 years ago,when I taught Rakugo at French, one of boy said it is first time to listen Rakugo. But now he is specialist of storyteller. In these reasons, Rakugo is not only make laugh, but is our pride. I think it is good point of Rakugo what can touch in your heart.

―今落語に興味を持っている子がたくさんいると思いますが、日本語が難しいという方に向けてのアドバイスはありますか。
-I know there are so many people who live in other countries and has interested in Rakugo, so do you have some advice for them?

さん喬師匠:日本語は縦に物事を考える言語であることを理解するのに、時間がかかると思います。ある方が、ミドルベリー大学を卒業して日本の企業に就職され「あなたは日本語を勉強して来て、何が一番大変でしたか」と質問された時に、「思いやる」これが難しい、と言っていたそうです。日本語は特にどの言語より感情移入する言葉であると思います。例えば、バカという1つの言葉でも、言い方や愛の込め方で全く意味が変わります。バカという言葉で人をバカにする言葉は1つしかなく、残りの言葉には全て愛が含まれています。正しく学ぶと、言葉が楽しくなり日本語上に自分の感情を乗せることができるようになり、日本語を学ぶのが楽しくなる秘訣だと思います。
昨年、ミドルベリー大学の日本語学校を卒業した1人の女の子が、日本に来て前座修業をし、落語を人類学として卒業論文に書くそうです。その方に、実際の前座修業を体験させようと思っています。これは、ただの説明や体験だけではなく、修業であることを体感してもらいたいです。修行が簡単なものであってはいけないので、辛いことや、こんなことも前座修業でやるのか、ということを体感してもらい学問的なところまで入り込んで伝えようと思います。ただ言ってみれば彼女は部外者であるので、彼女が入ることで、自分の本来の仕事に支障をきたしたり、周りに迷惑をかけてはいけないので、その境界線ははっきりさせようと思います。以前にブラジルから来た人には着物を着させ、楽屋に勤めさせ、落語を覚えてもらい、高座に立たせました。同じようなことを彼女にもさせるべきなのかな、と考えています。
In Japan, basically we usually think to write vertical that is difficult and take long time, because usually English write horizon line. One of people who graduated in Middlebury College, when he got interview about when you study Japanese what is the most difficult, he said “consider.” I think it is word that Japanese has a lot of emotion. For example, the word “Baka” it is different from when you put love or how to say. It has only one meaning of foolish. Any other meaning has love. If you study about these things, you can easily to think of Japanese, you can feel interesting in Japanese, and you can enjoy to put the emotion on Japanese. I think that is key to study in English. Last year, one of the girl who graduated from Middlebury College. She gonna come Japan and will write graduate theses of opener training. She really like rakugo and wanna write about Rakugo as Anthropology. So I want her to train for opener, but it is not just training, it is opened training. So I gonna try to teach more deeply it is not easy stuff, what is the training like what is the job for opener trainer. But you know, she is not real trainer, so we have to be care to make more clear line. That is our job, but she is just to study abroad. So I gonna do same things like same as the girl who came from Brazil. When she came in Japan she did great job like to remember Rakuyo, to stand upstairs kind like that. So I gonna study with her.

 今年は10回目の節目を迎えたシカゴ寄席。本公演の主催者であるMスクエアの松原氏が長い時間をかけて日本の伝統芸能芸術をシカゴに広たいという情熱と、地元企業やボランティアの方々により、支えられ、今ではシカゴの夏の風物詩なっている。来年のシカゴ寄席が今から楽しみだ。

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