【連載】帰国生のための中学・高校選びA to Z 第95回

2019年03月25日
文京女子コラム_650-423

大きく様変わりする日本の学校教育事情②

 前回の幼稚園、小学校、中学校に続き、改訂後の高等学校の学習指導要領の改善点について、ご説明します。
大きく様変わりする日本の学校教育事情①のコラムはこちらからご覧いただけます。

理数、外国語、情報教育などで新科目が導入させる高等学校
高等学校では、主に以下の7点が改善されています。
①言語能力の確実な育成
 科目の特性に応じた語彙の確実な習得、主張と根拠の関係や議論の仕方など、情報を的確に理解し効果的に表現する力の育成が図られます。
②理数教育の充実
 日常生活や社会との関連を重視するとともに、見通しを持った観察、実験を行うことなどの科学的に探究する学習活動、また、必要なデータを収集・分析し、その傾向を踏まえて課題を解決するための統計教育が充実します。そして、創造性豊かな人材の育成を目指し、新たな探究科目として、「理数探究基礎」及び「理数探究」が新設されます。
③伝統や文化に関する教育の充実
 我が国の言語文化に対する理解を深める学習が充実します。また、政治や経済、社会の変化との関係に着目した我が国の文化の特色、我が国の先人の取り組みや知恵、武道に関する内容の充実、和食、和服及び和室など、日本の伝統的な生活文化の継承・創造に関する内容も充実します。
④道徳教育の充実
 公民の「公共」、「倫理」、特別活動にて、人間としての在り方生き方に関する指導が行われます。
⑤外国語教育の充実
 「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り・発表)」「書くこと」の力を総合的に育成する科目「英語コミュニケーションⅠ、Ⅱ、Ⅲ」や発信力の強化に特化した科目「論理・表現Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」が新設されます。
⑥情報教育の充実
 全ての生徒が履修する「情報Ⅰ」が新設され、プログラミング、ネットワークやデータベースの基礎等の内容が必修となります。また、データサイエンス等に関する内容も充実します。
⑦職業教育の充実
 就業体験等を通じた望ましい勤労観、職業観の育成、職業人に求められる倫理観に関する指導が充実します。また、地域や社会の発展を担う職業人を育成するため、持続可能な社会の構築、情報化の一層の進展、グローバル化などへの対応の視点から各教科の教育内容が改善されています。そして、産業界で求められる人材を育成するため、「船舶工学」、「観光ビジネス」、「総合調理実習」、「情報セキュリティ」、「メディアとサービス」の科目が新設されます。
 このように、高等学校は、新科目を導入し、理数、外国語、情報教育の充実を図ろうという動きとなっています。

大学入試改革で変わる「求められる力」
 これまでご説明したように各教育課程での学習内容が変わっていく途中の2020年度は、大学入試センター試験が廃止され、新たに大学入学共通テストが実施されることにより、大学入試にも変化が起こります。大学入学共通テストでは、マークセンス方式のセンター試験とは異なり、記述式の問題が導入されます。初年度は国語と数学の一部の問題のみですが、徐々に記述式問題が増加する予定です。これまでとは異なり、表現力が必要になります。
 また、センター試験は国語、地歴・公民、数学、理科、外国語の5教科ですが、教科の枠を超えた総合問題や複数の教科を合わせた融合問題などの出題も予定されています。出題内容も、各教科で学んだ知識をもとにした思考力や判断力も求められます。
 外国語では、TOEFLやTOEIC、英検など民間機関の実施する英語力テストの点数を利用する計画もあります。「読む」「書く」力に加え、「聞く」「話す」力を加えた、4技能の習得が必要になり、英語圏の現地校で学んだ帰国生にとっては朗報です。
 さらに、各大学が実施する入学試験も、受験生の「主体性・多様性・協調性」を重視して選抜する方式に転換することが予定されています。そのため、面接、小論文、集団討論、部活動や課外活動の実績など、高校時代にどのような経験をしたかを重視する「多面的な判定」を行うとしています。また、学力テストは、原則として大学入学共通テストのみとし、個別試験を実施する場合には記述式・論述式で出題するということです。
 つまり、知識偏重型の入試から、思考力、判断力、表現力、そして、高校時代までの学校生活を、どう過ごしてきたのかが求められるのです。海外で学んだことは、大きなアドバンテージになることは言うまでもありませんが、現地校と補習授業校との学習や諸活動を両立したことは大いに評価されることでしょう。
 このように、今後の日本の学校教育は、知識の習得のみでなく、どう考え、どう表現するかが大切になります。また、日本の伝統や文化の理解、体験型学習、道徳教育も重視されます。そういう意味では、海外で学ぶ子どもたちにとって、教科学力向上のみではなく、学校行事や生徒会活動などの日本の学校に準ずる教育を体験することや現地校での学習以外の体験学習、ボランティア活動、インターンシップなどが、ますます重要になると言えます。

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<執筆者>
丹羽筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当)
河合塾での指導経験を経て米国ではCA・NY・NJ州の補習校・学習塾にて指導。現在はデトロイトりんご会補習授業校講師。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、河合塾北米事務所アドバイザー、
名古屋商科大学アドミッションオフィサー北米地域担当。
【お問い合わせ先】E-mail: nihs@ujeec.org

「帰国生のための中学・高校選び A to Z 」バックナンバーはこちらから。

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